花粉症で微熱が出るのはなぜ?熱っぽい・だるいの原因と風邪との見分け方を徹底解説

woman sitting on sofa holding book 花粉症

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

花粉シーズンに「なんか熱っぽい…」と体温計を取り出したこと、ありませんか?

花粉症で微熱(37.0〜37.5℃程度)が出ることはあります。炎症性サイトカインが体温調節中枢(視床下部)に働きかけることで起こりますが、38℃以上になることは花粉症単独では通常ありません。38℃超や2週間以上続く微熱は、副鼻腔炎・感染症の合併を疑って受診が必要です。

私も毎年2月後半になると、倦怠感と微妙な熱っぽさに悩まされます。今回はそんな「花粉症と発熱」の疑問に、メカニズムから見分け方・対処法まで整理してお答えします。

花粉症で微熱が出るメカニズム

花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、免疫細胞がインターロイキン-6(IL-6)・IL-1βなどの炎症性サイトカインを放出します。これらのサイトカインが血流を通じて脳の視床下部(体温調節中枢)に届き、プロスタグランジンE2(PGE2)を介して体温の設定値(セットポイント)がわずかに上昇します。これが花粉症による微熱の正体です。

風邪やインフルエンザでも同じメカニズムで発熱が起きます。ただしウイルス感染のときはサイトカインの放出量がはるかに多く、38〜39℃と体温が急上昇します。花粉症の炎症は鼻・目の粘膜周辺に限られるため、サイトカインが血中に大量に出ることはなく、体温上昇も「微熱止まり」になります。

  • IL-6などの炎症性サイトカインが視床下部のセットポイントをわずかに上昇させる(発熱の主役はPGE2)
  • 花粉症の炎症は局所的なため、サイトカイン量が少ない
  • 結果として37.0〜37.5℃程度の微熱にとどまる

花粉症・風邪・インフルエンザ・COVID-19の発熱パターン比較

4つの発熱パターンを並べると、違いがはっきりします。

花粉症 風邪(一般) インフルエンザ COVID-19
体温の目安 37.0〜37.5℃ 37.5〜38.5℃程度 38〜40℃ 37.5〜39℃程度
発症スピード 花粉増加とともに徐々に 数日で徐々に 急激(1〜2日で高熱) 急激〜徐々に
特徴的な随伴症状 目のかゆみ・水様性鼻水・くしゃみ 鼻水・喉の痛み 強い倦怠感・筋肉痛 発熱・倦怠感・咳
持続期間 花粉シーズン中続く 1〜2週間 5〜7日程度(発熱は3〜5日、症状全体は7日前後) 個人差あり
目のかゆみ 強い ほぼなし ほぼなし まれ
嗅覚への影響 鼻詰まりによる一時的な低下 鼻詰まりによる低下 まれ まれ〜あり(株・ワクチン状況により差あり)※初期株では特徴的だったが、オミクロン株以降は頻度低下

最も見分けやすいのは「発症タイミング」と「目のかゆみ」です。花粉が多い日の翌日から症状が悪化し、目がかゆくなるなら花粉症の可能性が高い。一方、急に38℃以上の熱が出て体が痛い場合は感染症を疑うべきです。

(とはいえ、花粉症シーズンにちょうど風邪もひく、なんてことはよくある。両方が重なると本当にわけがわからなくなります…)

発熱以外の症状も含めた見分け方は、→花粉症と風邪の見分け方|症状の違いと正しい対処法 でもまとめています。

だるい・熱っぽい……その原因はどこにある?

花粉症の時期に感じるだるさ・倦怠感には、複数の原因が絡み合っています。

アレルギー反応そのものによる疲労感

免疫細胞が花粉に対して絶えず反応し続けることで、体は慢性的な疲労状態になります。炎症性サイトカインの影響もあり、「なんとなくしんどい」という感覚が長く続きます。

睡眠の質の低下

鼻づまりで夜中に目が覚める、口呼吸になって喉が渇く。こうした状態が続くと慢性的な睡眠不足につながり、日中のだるさに直結します。

抗ヒスタミン薬の副作用

市販・処方を問わず、抗ヒスタミン薬には眠気や倦怠感が出ることがあります。症状のだるさなのか、薬のだるさなのかが区別しにくくなることも多いです。

(「薬を飲んだら眠くてだるい、飲まなかったら鼻症状でしんどい」という選択肢しかない毎年の春です)

倦怠感・頭の重さが気になる場合は、→花粉症で頭痛・だるさが起きる理由と対処法|全身症状を和らげる実践ガイド も合わせて参考にしてください。

38℃以上・長引く微熱は要注意|警戒サインと受診の目安

花粉症単独では38℃以上の発熱は通常起きません。次のような状況が見られたら、別の疾患を疑って受診することをおすすめします。

  • 38℃以上の発熱が続いている
  • 微熱が1〜2週間以上続いている(花粉シーズンが終わっても下がらない)
  • 黄色・緑色の鼻水が出ている
  • 頬や目の周り・額に圧迫感・痛みがある
  • 喉の痛みが強く、飲み込みが辛い
  • 急激な体力の低下や強い筋肉痛がある

特に「黄緑色の鼻水+38℃近い熱+頬の圧迫感」がそろっている場合、花粉症に副鼻腔炎(蓄膿症)が合併している可能性があります。副鼻腔炎は放置すると慢性化しやすいため、早めの受診が重要です。

副鼻腔炎と花粉症の見分け方は、→副鼻腔炎(蓄膿症)と花粉症の違いとは?症状の見分け方・治療法・病院の選び方を徹底解説 で詳しくまとめています。

どの科に行けばいい?

症状の状況 おすすめの受診科
微熱+鼻水・鼻づまり・くしゃみが主症状 耳鼻咽喉科
38℃以上の発熱が主症状 内科・発熱外来
目のかゆみも強い 耳鼻咽喉科(眼科との並診も可)
副鼻腔炎が疑われる症状がある 耳鼻咽喉科
どこか迷う まず内科

花粉症による微熱・鼻症状のメインは耳鼻咽喉科です。アレルギーの専門的な検査・治療(処方薬・点鼻ステロイド・免疫療法の相談など)が受けられます。38℃を超えるような発熱が主症状なら、感染症を除外するために内科・発熱外来を先に受診するのが安心です。

Young woman in brown turtleneck looking down thoughtfully.

花粉症の微熱・だるさへの対処法

解熱剤は原則不要

37.0〜37.5℃の微熱なら、解熱剤を使う必要はありません。アレルゲンへの暴露を減らす(外出時のマスク・帰宅後の洗顔・着替えなど)ことが根本的な対処につながります。

抗アレルギー薬は続ける

処方されている抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイドは、花粉症の炎症を抑えるために飲み続けることが大切です。「熱があるから止める」必要はありません。解熱鎮痛剤との飲み合わせが気になる場合は、添付文書または薬剤師に確認してください。

(まあ「確認しに行く気力もない日」もあるんですが、そういうときは薬局に電話して聞くのが一番早いです)

休養と水分補給

「37.2℃ならなんとかなる」と思いがちですが、花粉症シーズンの体は思った以上に消耗しています。休める日はしっかり休むことが倦怠感の回復を早めます。水分補給も忘れずに。

睡眠環境を整える

鼻づまりによる睡眠の質の低下がだるさの大きな原因になります。室内の花粉を減らす(空気清浄機の活用・こまめな掃除)、就寝前の鼻うがいなどが有効です。

よくある質問

花粉症で37℃台の熱が出ることはある?

あります。炎症性サイトカインが視床下部のセットポイントを上げることで、37.0〜37.5℃程度の微熱が出ることがあります。花粉症の全身症状のひとつです。ただし38℃以上は花粉症単独ではほとんど起きないため、38℃超の場合は感染症や副鼻腔炎の合併を疑ってください。

花粉症の微熱、いつ下がる?

花粉の飛散が落ち着くと自然に改善することがほとんどです。抗アレルギー薬を適切に使うことで症状が軽減し、熱っぽさも和らぎます。2週間以上改善しない場合は受診を検討してください。

解熱剤を飲んでいい?

37.0〜37.5℃の微熱なら、解熱剤は基本的に必要ありません。花粉症の原因であるアレルギー反応を抑えることが先決です。38℃を超える場合は、感染症を含めて医師に判断してもらうことをおすすめします。用量・禁忌は添付文書または薬剤師にご確認ください。

だるさが2週間以上続くのはおかしい?

花粉シーズン中ずっとだるさが続くことはありますが、2週間以上改善しない、あるいは悪化する場合は花粉症以外の原因を探る必要があります。抗ヒスタミン薬の種類を変えるだけで改善するケースもあります。気になる場合は耳鼻科に相談してみてください。


花粉症で37〜37.5℃の微熱や熱っぽさが出ることは、よくある症状のひとつです。サイトカインによる一時的な体温上昇で、花粉が減れば自然と落ち着きます。

大切なのは「38℃以上は花粉症単独ではない」という判断基準を持つことです。高熱・黄緑色の鼻水・頬の圧迫感が重なってきたら、早めに耳鼻科・内科を受診してください。

「だるいのは花粉症だから仕方ない」と諦めず、薬の見直しや睡眠環境の改善も試してみてください。この時期をなるべく楽に乗り切れますように。

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