こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。
「赤ちゃんの鼻水、これって花粉症?それとも風邪?」という疑問、毎年春になると本当によく聞きます。赤ちゃんでも花粉症・アレルギー性鼻炎になることはあります。ただし0〜1歳での発症は少なく、2〜3歳以降が多い傾向です。 この記事では発症の年齢目安・症状の見分け方・受診のタイミング・乳幼児に使える薬・日常の花粉対策をまとめました。
赤ちゃんは花粉症になる?発症年齢と感作の話
「赤ちゃんに花粉症はまだ早い」と思われがちですが、実際には違います。
アレルギーは2ステップで起きます。まず体がアレルゲン(花粉など)に触れて抗体を作る「IgE感作」の段階、次にそれが症状として現れる「発症」の段階です。生後1〜2年で感作が始まることはありますが、実際に鼻水・くしゃみなどの症状が出るのは複数回の花粉シーズンを経てからが多いとされています。
日本小児アレルギー学会の報告では、スギ花粉症の発症は3〜5歳から増加し始め、小学校入学前後に多くなると記されています。
アレルギー体質の子は早めの確認を
家族にアレルギー体質の人が多い、またはすでに食物アレルギーやアトピー性皮膚炎がある場合は、花粉への感作が早く進む可能性があります。2歳前後で鼻炎症状が続くようなら、早めに受診しておくことをおすすめします。
花粉症か風邪か?乳幼児の症状の見分け方
赤ちゃんの鼻水はしょっちゅう出ているものなので、見分けが難しいところです。以下の表が参考になります。
| 特徴 | 花粉症・アレルギー性鼻炎 | 風邪・ウイルス感染 |
|---|---|---|
| 鼻水の色 | 透明でさらさら | 最初透明→黄色・緑色に変化 |
| 続く期間 | 花粉シーズン中ずっと | 通常1〜2週間で改善 |
| くしゃみ | 連続して多い | 初期のみ |
| 発熱 | ほぼない | あることが多い |
| 目の症状 | かゆみ・充血が出やすい | あまりない |
| 症状の出方 | 外出後・朝に悪化しやすい | 時間帯に関わらず続く |
| 流行との関係 | 保育園の流行と一致しない | 流行時期と重なることが多い |
(まあ、「透明な鼻水が2週間続いているけど花粉症なのか確信が持てない」という状況は普通にあります。迷ったら受診するのが一番早いです)
RSウイルスやミルクアレルギーとの見分け方
RSウイルス感染症は発熱に加え、胸からゼイゼイという喘鳴が出るのが特徴です。鼻炎単独の花粉症とは区別がつきやすいです。
ミルクアレルギーの場合は、鼻水よりも皮膚症状(湿疹・じんましん)や消化器症状(下痢・嘔吐)が主体になることが多く、花粉症とはかなり異なる出方をします。複数の症状が混在するときは、アレルギー専門医・小児科で相談してください。
何科に行けばいい?受診の目安
まず小児科に相談するのがスムーズです。感染症との鑑別も同時にできるため、「まず小児科へ」が基本の流れです。
以下のような状況があれば受診の目安になります。
- 鼻水・くしゃみが2週間以上続いている
- 毎年同じ時期に同じ症状が繰り返す
- 鼻づまりで眠れない・食欲がない
- 目の充血・かゆみが強い
- 授乳や離乳食に支障が出ている
症状が長引く・毎年繰り返す場合は、耳鼻科(小児対応)への受診やアレルギー専門科への紹介を検討してください。血液検査(特異的IgE抗体検査)で何に感作しているかを確認できます。
0〜3歳に使える薬と注意点
乳幼児への薬は年齢制限が厳しく設けられています。大人と同じ薬・同じ量では使えません。
処方薬(医療機関)
小児科・耳鼻科で処方される薬には、内服の抗ヒスタミン薬(ドライシロップ・液剤)・点鼻薬・目薬があります。年齢と体重に応じた用量で処方されます。
| 種類 | 主な成分例 | 使用年齢の目安 |
|---|---|---|
| 抗ヒスタミン薬(液・ドライシロップ) | ケトチフェン | 2歳以上が目安(添付文書では新生児・乳児〔0歳〕への安全性は確立していないと明記) |
| 抗ヒスタミン薬(液・ドライシロップ) | オロパタジン(アレロック顆粒等) | 2歳以上(2歳未満は用法用量なし・安全性未確立) |
| 点鼻ステロイド薬 | フルチカゾン等 | 2歳以上が多い |
| 抗アレルギー薬(内服・小児用細粒あり) | フェキソフェナジン(アレグラ細粒・ドライシロップ等) | 生後6ヵ月以上(小児用製剤)/ 7歳以上(錠剤) |
自己判断での増減は避けてください。用量・禁忌は添付文書または処方した医師・薬剤師に確認してください。
市販薬を使いたいときは
乳幼児に使える市販の花粉症薬はほとんどありません。
市販の抗ヒスタミン薬の多くは「15歳未満不可」「12歳未満不可」などの年齢制限があります。「子どもにも使える」と書かれた製品でも、対象年齢の下限を確認してください。2歳未満については特に注意が必要で、自己判断での投与は基本的に避けましょう。
(夜中に症状がひどくて「何か飲ませたい」という気持ちはよくわかります。ただそこはぐっとこらえて、翌朝早めに受診するか、小児救急に電話で相談するのが正解です)
年齢別の処方薬・市販薬の詳細は →子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎の薬 完全ガイド|年齢別に飲める市販薬・処方薬・点鼻薬の選び方 で整理しています。

授乳中のママが飲む薬と母乳への影響
ここからは赤ちゃん本人ではなく、授乳中のママ側の話です。
「授乳中に花粉症の薬を飲んでいいのか」という疑問は多くの方が抱えています。抗ヒスタミン薬の多くは少量ですが母乳に移行します。移行量は少ないとはいえ、市販薬を自己判断で飲むのは避けてください。授乳中であることを医師に伝えて処方してもらうのが安全な選択です。
妊娠中・授乳中の花粉症薬については →妊娠中・授乳中の花粉症対策|飲める薬・飲めない薬と安全にできる対処法 で詳しく解説しています。
乳幼児の花粉対策グッズと日常ケア
薬だけに頼らず、生活面での対策も大切です。0〜3歳は自分では対策できないため、保護者がカバーする形になります。
ベビーカー・抱っこ紐でのお出かけ
ベビーカーには花粉ガードカバーをつけると顔まわりへの飛散を減らせます。抱っこ紐で子どもの顔が外に向く場合は、薄手のカバーで花粉をある程度防げます。外出は花粉の多い午前10時〜午後2時ごろを避けると、症状が出にくくなります。
帰宅後のケア
帰宅したら玄関で大人が着替え・手洗いをしてから子どもに触れるのが理想です。子どもの顔・手をぬるま湯で拭くだけでも花粉を落とせます。花粉の多い時期は洗濯物を室内干しにすることも検討してください。
保育園・幼稚園への伝え方
アレルギーがある場合は早めに施設へ情報共有しましょう。「医師から花粉症と診断されている」「症状がひどい日の外遊び時間を短縮してほしい」という内容を、かかりつけ医の情報提供書と合わせて伝えると連携がスムーズです。与薬をお願いする場合は施設ごとに手続きが異なるので、事前に確認してください。
アレルギー検査と将来の治療選択肢
乳幼児でも血液検査(特異的IgE抗体検査)でスギやヒノキへの感作を確認できます。何に感作しているかがわかると、薬の選択や生活対策の方針が立てやすくなります。
将来的には、5歳以上から舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)の対象になります。根治を目指す治療として選択肢に入れておく価値があります。今は症状をコントロールしながら、成長に合わせて治療の幅を広げていくイメージで考えておきましょう。
→子どもの舌下免疫療法完全ガイド|何歳から始められる?効果・費用・通院スケジュールを徹底解説
よくある質問
赤ちゃんが花粉症になることはある?
あります。ただし0〜1歳での発症は少なく、2〜3歳以降が多い傾向です。花粉への「感作(抗体ができること)」は早期から起きることがあり、症状として現れるのはそれより少し後になることが多いです。
1歳の子が鼻水続くのは花粉症?風邪?
透明でさらさらの鼻水が2週間以上続いていて、発熱がなく外出後に悪化するなら花粉症の可能性があります。黄色い鼻水や発熱があれば感染症が疑われます。迷ったら小児科で相談するのが一番確実です。
乳幼児に使える花粉症の市販薬はある?
ほとんどありません。市販の抗ヒスタミン薬の多くは年齢制限があり、2歳未満はほぼ対象外です。乳幼児の治療は医療機関で処方薬を使うのが基本です。
小児科と耳鼻科、どちらがいい?
まずは小児科で問題ありません。感染症との鑑別も同時にできます。鼻炎が主で、検査・専門的な治療を検討する段階になったら耳鼻科(小児対応)への受診も選択肢に入ります。
保育園で薬を飲ませてもらえる?
保育施設での与薬はルールが施設によって異なります。多くの場合、処方薬限定・医師の指示書が必要です。かかりつけ医に「保育園で与薬が必要」と相談し、指示書を作成してもらって施設に提出してください。
まとめ
赤ちゃん・乳幼児の花粉症は、0〜1歳では少なく2〜3歳以降から増えます。症状の目安は「2週間以上続く透明な鼻水・くしゃみ」で、迷ったら早めに小児科を受診してください。
対応のポイントを整理します。
- 乳幼児の花粉症薬は処方薬が基本。市販薬は年齢制限に注意
- 授乳中のママが薬を飲む場合は必ず医師に相談
- ベビーカーカバー・帰宅後ケア・保育園連携で日常の花粉量を下げる
- 5歳以上になったら舌下免疫療法も視野に入れる
子どもの症状に気づいたとき、「様子を見よう」と引き延ばすより早めに動いた方が楽になれることが多いです。まずは小児科のドアをたたいてみてください。


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