花粉症の処方薬と市販薬の違い|市販薬が効かないときに病院で処方してもらうべき薬とは

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

花粉症の市販薬を飲んでいるのに「今年はなんか効かない気がする…」という方へ。結論から言うと、処方薬と市販薬は使える有効成分の種類・用量が根本的に違います。市販薬の成分でコントロールしきれない症状は、病院で別の成分を処方してもらうことで改善できるケースが多いです。

処方薬と市販薬、何が違うの?

花粉症治療に使われる薬のほとんどは「抗ヒスタミン薬」です。市販薬と処方薬の違いは、使える成分の幅にあります。

市販薬(OTC薬)で入手できる主な成分:

  • フェキソフェナジン(アレグラFX等)
  • ロラタジン(クラリチンEX等)
  • セチリジン(ストナリニZ等)
  • エピナスチン(アレジオン20等)

処方専用の成分(市販されていない):

  • デスロラタジン(デザレックス)
  • ビラスチン(ビラノア)
  • ルパタジン(ルパフィン)

※ オロパタジンは2023年11月よりOTC薬「アレロックプレミアム」として市販されており、医療用の「アレロック」と同一成分が両方の形態で存在します。OTC版と処方版では用量・用法が異なります。

処方専用の成分は、薬機法の規制でOTC薬として販売が認められていません。医師の診断・処方箋が必要です。

市販薬(OTC) 処方薬
入手方法 ドラッグストア等で購入 医療機関の処方箋が必要
使える成分 スイッチOTC化された成分のみ 処方専用成分を含む幅広い選択肢
用量の選択肢 パッケージ固定 医師が症状に合わせて調整可能
費用 全額自己負担 健康保険適用(3割負担等)

市販薬が「効かなくなる」のは耐性じゃない

「ずっとアレグラを飲んでいたら効かなくなった」という話はよく聞きます。でも、体が薬に慣れた(耐性)のではありません。

症状が重症化している

花粉量が多い年・シーズン後半はアレルゲン量が増えるため、同じ薬でも対処しきれなくなります。

複合型アレルギーが進行している

スギ花粉に加えてヒノキ・シラカバなど複数の花粉に反応するようになると、期間が長引き症状も重くなります。

そもそも成分が合っていない

第2世代抗ヒスタミン薬の中でも成分差があります。ある成分で効果が出にくくても、別の成分で改善するケースがあります。

(「耐性ができた」という言い方は薬剤師さんも気にされていて、正確には「症状の悪化・複合型アレルギーの進行」です。でも「なんかもう効かなくなった感じ」という体感はウソじゃないので、ちゃんと受診してほしいと思います)

a bottle of pills sitting on top of a pink surface

病院に行くべき目安と受診先の選び方

以下のどれかに当てはまる場合、受診を検討してください。

  • 市販薬を飲んでいても、仕事・学業・睡眠への影響が続いている
  • 同じシーズン内で症状が明らかに悪化してきた
  • 鼻づまりが強くなり、鼻で息が吸えない時間が増えた
  • 市販薬を連続して2週間以上飲み続けている

症状が重い・長引く場合は、自己判断を続けるより受診したほうが選択肢が増えます。薬の処方方針は医師に相談してください。

耳鼻咽喉科がもっとも専門的です。鼻の状態を内視鏡で確認した上での診断が受けられます。内科・アレルギー科でも花粉症の処方は対応可能で、予約が取りやすいことが多いのが利点です。

舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)を検討している場合は、対応している耳鼻科またはアレルギー科を選ぶ必要があります。

処方薬の費用と処方箋が必要な理由

「病院代がかかるから」という理由で市販薬を選ぶ方もいます。実際の費用を比べてみます。

項目 費用の目安(3割負担)
初診料 約800〜1,000円
処方箋料(医療機関) 約200〜300円
調剤技術料など(薬局) 約500〜800円
抗ヒスタミン薬(30日分) 約500〜1,500円
初診月の合計 約1,800〜3,200円
再診以降(月あたり) 約1,200〜2,200円

(上記はあくまで目安です。医療機関・薬の種類・保険の種類によって変わります)

市販薬は60錠入りで1,500〜2,500円程度のものが多いです。初診月は処方薬のほうが高めになりますが、2ヶ月目以降はほぼ同等か処方薬のほうが安くなることもあります。

(処方薬のほうが安くなるケースがある、というのは意外と知られていません。私も長い間「市販薬のほうがお得」と思い込んでいました)

処方薬は医療費控除の対象です。市販薬もセルフメディケーション税制の対象になりますが、年間1万2,000円超の自己負担が条件です。

デザレックス・ビラノア・ルパフィンなどが市販されていないのは、薬機法(医薬品医療機器等法)の規制によるものです。処方箋医薬品として分類されているため、医師の処方なしには販売できません。ロラタジン(クラリチン)は2017年にOTC化されましたが、ビラスチンはまだ処方専用のままです。

(「なんで効くものほど市販されていないんだろう」と思う気持ちはわかります。審査に何年もかかるので、待つしかないんですよね…)

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よくある質問

市販薬と処方薬で成分が同じものはあるの?

あります。ロラタジン(クラリチン)とフェキソフェナジン(アレグラ)は、市販薬・処方薬の両方が存在します。処方薬は用量の選択肢が広い場合があります。

病院では何日分処方してもらえる?

花粉シーズン中は30日分程度が一般的です。症状が安定していれば次回は再診扱いになり、費用は初診より安くなります。

耳鼻科と内科、どちらがいい?

専門性を重視するなら耳鼻科です。ただし予約が取りやすい・近所にある、という理由で内科を選ぶのも現実的な判断です。どちらでも抗ヒスタミン薬の処方は受けられます。

市販薬を飲みながら病院に行っていい?

問題ありません。受診時に「現在〇〇を飲んでいます」と伝えてください。薬の飲み合わせは医師・薬剤師が確認してくれます。

まとめ

処方薬と市販薬の最大の違いは、使える成分の幅です。市販薬で効果が出にくい場合、「耐性ができた」のではなく、症状の悪化や成分の不一致が原因であることがほとんどです。

症状が仕事・睡眠に影響しているなら、受診するタイミングです。費用も1ヶ月単位で見れば市販薬とそれほど変わらないことが多いです。薬の具体的な選択は医師と相談しながら決めてください。

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