花粉症・鼻炎で鼻血が出る理由と対処法|点鼻薬の使いすぎ・粘膜ダメージを完全解説

sick man blowing nose into tissue 花粉症

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

花粉症や鼻炎がひどい時期に、鼻をかんだら血が混じってしまった。そんな経験がある方は少なくないと思います。原因は大きく2つ。花粉アレルギーで粘膜が慢性的に充血・炎症を起こしていることと、症状を抑えようとして使った点鼻薬が逆に粘膜を傷めていることです。この記事では、なぜ鼻血が出るのかを2軸で整理し、正しい止血法・受診のタイミング・粘膜を守る予防習慣まで、順を追ってお伝えします。

花粉症・鼻炎で鼻血が出る2つの原因

原因① 炎症で充血した粘膜が傷つきやすくなる

鼻の入口から1〜2cmほど奥にある「キーゼルバッハ部位」は、細かい毛細血管が密集した場所です。外気に直接触れ、指で触れることも多いため、健康な状態でも出血が起きやすい部位とされています。

花粉症・アレルギー性鼻炎では、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで、鼻粘膜が長期間にわたって充血・腫脹した状態になります。粘膜が充血すると毛細血管が表面により近くなり、鼻をかむ・こするといった刺激だけで破れやすくなります。

花粉シーズンは1日に何十回も鼻をかむこともあります。積み重なると粘膜はどんどん傷んでいき、出血の頻度が上がっていきます。乾燥した室内にいる時間が長い冬〜春は、粘膜の表面が干からびやすく、さらに出血しやすい状態になります。

原因② 点鼻薬の使いすぎが鼻粘膜を傷める

もう一つ、見落とされがちな原因が点鼻薬の副作用です。

ステロイド点鼻薬(フルチカゾン・モメタゾンなど)は、適切に使えば全身への吸収がごく少量で、鼻炎治療の主力薬として耳鼻科でもよく処方されます。ただし、用量を超えた使用や、鼻の中心(鼻中隔)に向けて噴射し続けると、粘膜が薄くなって毛細血管が露出しやすくなることがあります。添付文書には「鼻出血」が副作用として明記されているものが多く、「ステロイド点鼻を使い始めてから鼻血が増えた」という訴えは耳鼻科の外来でも珍しくありません。

(「局所ステロイドだから安全」という認識のまま、何ヶ月も量や方向を確認せずに使い続けている方、意外と多いんですよね。私もそのひとりでした)

市販の血管収縮系点鼻薬(ナファゾリン・オキシメタゾリンなど)は即効性が高い反面、1週間以上連続で使うと反跳性充血が起きて鼻づまりがかえってひどくなる「薬剤性鼻炎」を引き起こすことがあります。反跳性充血の状態では粘膜が慢性的にうっ血しており、出血リスクも高まります。

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鼻血が出たときの正しい止血法とNG行動

正しい止血の手順

  1. 座って、顔をやや前に傾ける(血が喉に流れ込まないようにするため)。
  2. 小鼻の柔らかい部分を、親指と人差し指でやさしくつまむ。
  3. そのまま口で呼吸しながら、10分間じっと待つ。
  4. 鼻の外側(鼻の上部)に冷たいタオルや保冷剤を当てると血管が収縮しやすくなります。

10分は長く感じますが、途中で指を離さないことが大切です。「止まったかな」と確認して外すのは5分後ではなく、しっかり10分待ってからにしてください。

やってはいけないNG行動

NG行動 問題点
上を向く 血が喉へ流れて気分が悪くなる。誤嚥リスクもある
ティッシュを深く詰めてぐいぐい押す 粘膜をさらに傷つける。引き抜くときに再出血しやすい
すぐに鼻をかむ できかけたカサブタがはがれて再出血する
首の後ろを叩く 止血効果は医学的に認められていない

(「上を向いて首を後ろに傾けろ」は昔の常識ですが、今は完全にNG扱いです。親世代から教わった方は要注意です)

こんなときは耳鼻科へ|受診が必要な5つのサイン

花粉症由来の鼻血は多くの場合、粘膜の一時的な炎症・乾燥が原因です。ただし、次のような状態が続くときは早めに耳鼻科を受診してください。

  1. 週1回以上、繰り返し鼻血が出る
  2. 10〜15分経っても止まらない
  3. 大量(ティッシュが染まるほど)の出血が続く
  4. 両方の鼻から同時に出血している
  5. 鼻血以外にも、歯茎や皮膚から出血しやすくなっている

4・5については、血小板や凝固因子の異常など、花粉症とは別の疾患が関係している可能性があります。血液検査で確認できるケースが多いため、気になる場合は早めに受診することをおすすめします。

鼻血と鼻づまり・頬の痛みが同時に続くようなら、副鼻腔炎(蓄膿症)の合併も念頭に置いてください。炎症の範囲が広がると出血リスクも上がります。

副鼻腔炎(蓄膿症)と花粉症の違いとは?症状の見分け方・治療法・病院の選び方を徹底解説

鼻粘膜を守るための予防習慣

繰り返す鼻血への対策は、「乾燥させない・傷つけない」の2点に集約されます。

生理食塩水スプレーで粘膜を保湿する

防腐剤なしの市販生理食塩水点鼻スプレーは、粘膜を潤すだけでなく、付着した花粉・ハウスダストを洗い流す効果もあります。薬ではないため連用制限がなく、花粉シーズン中に日常的に使いやすいのが利点です。より本格的に洗浄したい場合は鼻うがいも選択肢になります。

鼻うがい(鼻洗浄)で花粉症を和らげる方法|ハナノア・サイナスリンスの選び方と正しいやり方

室内の湿度を50〜60%に保つ

空気が乾燥すると粘膜の水分が蒸発し、毛細血管が外気に触れやすくなります。加湿器を使う場合は60%を超えないよう調整するとカビの発生を抑えられます。湿度計と組み合わせると管理しやすいです。

(「50〜60%をキープしろ」は正論ですが、冬の乾燥期にこれを毎日維持するのはなかなかしんどいですよね。加湿器のタンクを朝一番に確認する習慣から始めるのが、個人的には続きやすいと思います)

鼻のかみ方を見直す

口をゆるく閉じた状態で、片鼻ずつやさしくかむのが基本です。力を入れすぎると鼓膜や中耳にも負担がかかります。「奥まで出し切ろう」と強くかみすぎないよう意識するだけで、粘膜への刺激をかなり減らせます。

ステロイド点鼻薬の噴射方向を確認する

ステロイド点鼻薬は鼻中隔(鼻の中央の壁)ではなく、外側の鼻腔側壁に向けて噴射するのが正しい使い方です。鼻血が出やすくなったと感じたら、使用量・方向を一度見直し、改善しない場合は処方した医師に相談してください。自己判断でいきなりやめると鼻炎症状が悪化する場合があるため、必ず相談の上で対応を決めることをおすすめします。

Woman holds her hands up while looking at something.

よくある質問

花粉症の鼻血はなぜ繰り返すの?

粘膜の炎症が続いている間は毛細血管が充血したままで、カサブタがはがれやすい状態が続きます。花粉飛散期が終わっても点鼻薬を継続中だったり、室内乾燥が解消されていなかったりすると、シーズンをまたいで出血が繰り返されることがあります。粘膜が本来の状態に戻るまでには、炎症の治まりと保湿習慣の定着の両方が必要です。

ステロイド点鼻薬をやめれば鼻血は止まる?

ステロイド点鼻薬が原因の場合、噴射方向の修正や使用量の見直しで改善するケースが多いです。ただし自己判断で急にやめると鼻炎症状が悪化する可能性があるため、耳鼻科または処方した医師に相談してから対応を決めてください。

子どもの鼻血は大人と原因が違うの?

子どもは鼻を触る・こする習慣が多いため、アレルギーに加えて物理的な刺激が原因になりやすいです。花粉症・鼻炎がある子どもで繰り返し鼻血が出る場合は、小児科か耳鼻科で粘膜の状態を確認してもらうと安心です。

朝起きたときに鼻血が出やすいのはなぜ?

睡眠中は加湿器がないと鼻腔内が乾燥しやすく、起床時に粘膜が干からびた状態になっています。そこに鼻をかむ刺激が加わると出血しやすくなります。寝室の加湿と、起床直後は鼻を強くかまないことが予防になります。

まとめ

花粉症・鼻炎で鼻血が出る原因は、①粘膜の慢性炎症と充血、②点鼻薬(ステロイド・血管収縮剤)の不適切な使用の2軸です。

鼻血が出たら「座って前傾・小鼻を10分圧迫」。上を向いたり、ティッシュを深く詰めたりしないことが最初のポイントです。週1回以上・15分以上止まらない・大量出血が続く場合は、早めに耳鼻科を受診してください。

日ごろの予防は「乾燥させない・傷つけない」の2本柱。生理食塩水スプレーや室内加湿で粘膜を守りながら、花粉シーズンと上手に付き合っていきましょう。

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