花粉の種類と特徴まとめ|スギ・ヒノキ・イネ科・ブタクサの違いをわかりやすく解説

Close-up of green cedar tree branches with sunlight. 花粉症

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

花粉症の症状は「スギの季節だけ」とは限りません。3月を過ぎても鼻水が続くならヒノキかもしれないし、秋になってまた症状が出るならブタクサやイネ科が関係しているかもしれません。自分がどの花粉に反応しているかを把握することが、薬の選択や対策の精度を上げる第一歩です。

この記事では、日本で花粉症を引き起こす主な6種類の花粉(スギ・ヒノキ・イネ科・ブタクサ・ヨモギ・シラカバ)について、飛散時期・症状の特徴・交差反応をまとめました。症状が出ている時期と照らし合わせて、原因の目星をつけるために使ってください。

6種類の花粉を一覧比較

まずは主要6種の概要を表にまとめました。

花粉の種類 飛散時期(目安) 主な地域 症状の特徴 交差反応の例
スギ 2〜4月 全国(沖縄・北海道以外) 鼻水・くしゃみ・目のかゆみが強い ヒノキ
ヒノキ 3〜5月 本州・四国・九州 スギと類似。症状が長引く原因に スギ
イネ科(カモガヤ等) 5〜8月、9〜10月 全国(草地・河川敷) 鼻・目のほか喘息様症状も 一部の食物
ブタクサ 8〜10月 全国(河川敷・空き地) 鼻水・目のかゆみ メロン・スイカ・キウイ
ヨモギ 8〜10月 全国 鼻症状が中心 セロリ・ニンジン・桃
シラカバ 4〜6月 北海道・東北 鼻・目の症状が強い リンゴ・モモ・サクランボ

(スギが終わったのにまだつらいまま放置してしまいがちですが、その症状、ヒノキか別の花粉かもしれません。「体調不良かな」で片付けるには長すぎる季節です)

花粉症のシーズンは春だけではありません。ブタクサやヨモギが飛ぶ秋まで含めると、年間で症状が出うる期間はかなり長くなります。

各花粉の特徴と注意点

スギ花粉(2〜4月)

飛散のピークは2月中旬〜3月下旬です。環境省が設置している花粉観測ネットワーク(はなこさん)のデータでは、東京の飛散開始は例年2月上旬〜中旬とされています。

アレルゲンタンパク質はCry j 1とCry j 2の2種類が特定されており、血液検査(特異的IgE検査)でこれらへの感作を確認できます。日本における花粉症患者の中でスギ花粉症の割合は最も高く、全国で約38〜40%と推計されています(環境省「花粉症の現状と対策について」2023年)。

スギ花粉症は舌下免疫療法の対象であり、毎日少量のアレルゲンを継続投与することで感作を弱めていく治療が選択肢にあります。→舌下免疫療法の効果・費用・期間について詳しく解説した記事はこちら

ヒノキ花粉(3〜5月)

スギの飛散がひと段落した3月中旬頃から、ヒノキが飛び始めます。5月上旬まで続くため、スギとヒノキの飛散期間が重なる3〜4月は症状が特に強くなりやすい時期です。

スギとヒノキのアレルゲンには構造上の類似点があります。スギ花粉症患者の約70%がヒノキにも反応するとされており(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の資料をもとに記載)、これが「スギが終わったのに症状が長引く」原因になっています。

「3月を過ぎてもまだ鼻水が止まらない」という場合は、ヒノキへの交差反応を疑ってみてください。

イネ科花粉(5〜8月、9〜10月)

カモガヤとオオアワガエリが代表的な種類です。河川敷・草地・公園の芝生周辺に多く生息し、都市部でも一定量が飛散します。飛散期は5〜8月と、9〜10月の年2回あります。

一般的な花粉症の症状(鼻水・くしゃみ・目のかゆみ)に加えて、喘息様の咳や胸のしめつけ感が出やすいのが特徴です。花粉症なのに咳が続く場合はイネ科への反応を考える価値があります。呼吸器症状が強い場合は市販薬のみの対処には限界があるため、耳鼻科または内科への相談をおすすめします。

ブタクサ・ヨモギ(8〜10月)

「秋に花粉症なんてあるの?」と思う方もいますが、ブタクサとヨモギは秋の代表的な原因植物です。河川敷や空き地に生えるブタクサ、里山や道端のヨモギが主な発生源です。

ブタクサ花粉症で特に注意したいのが、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS) との関連です。ブタクサに感作されている方は、メロン・スイカ・キウイなどを食べた際に口や唇がかゆくなる「口腔アレルギー症候群」を起こすことがあります。これは果物そのものへのアレルギーではなく、花粉と果物のたんぱく質の形が似ているために起きる反応です。症状が強い場合はアレルギー科への受診をおすすめします。

(秋に「スイカやメロンを食べると口がイガイガする」という人、ブタクサ花粉が関係しているかもしれません。意外と見落とされがちな関係なので、一度耳鼻科で話してみてください)

ヨモギはセロリ・ニンジン・桃などとの交差反応が報告されています。

シラカバ花粉(4〜6月・北海道・東北中心)

飛散は4〜6月で、北海道・東北地方では春の主要アレルゲンです。本州以南ではシラカバの自生が少なく、関東以西に住んでいる方がシラカバ花粉症になるケースはあまり多くありません。

シラカバ花粉症の方はリンゴ・モモ・サクランボ・ナシなどバラ科の果物との交差反応がよく知られています。北海道在住で春に症状が出る場合は、スギよりもシラカバを疑うことが多いです。

重複感作とは?症状が長引く仕組み

スギが終わってもヒノキ、ヒノキが終わったらイネ科、夏を越えたらブタクサ…と症状が次々と連鎖する場合、複数の花粉に同時に感作されている「重複感作」の状態かもしれません。

重複感作とは、体が複数種類の花粉に対してそれぞれIgE抗体を持っている状態です。血液検査(特異的IgE抗体検査)で複数の花粉が陽性になった場合に確認されます。スギ花粉症患者の中で、スギ以外にも感作されている割合は相当数に上るとされています(日本アレルギー学会の報告資料を参照)。

(「重複感作」という言葉、なかなか重く聞こえますが、要は「複数の花粉に反応している状態」です。一種類だけ警戒していて対策が年々追いつかない方は、一度検査で全部確認した方が早いかもしれません)

重複感作がある場合、一種類の花粉だけを想定して薬の飲み始めや対策期間を組むと、効果が薄れます。どの花粉に反応しているかを把握することが、長期的な対策の効率を上げます。アレルギー検査の詳細は[アレルギー検査の種類・費用を解説した記事]をご覧ください。

症状の時期から原因花粉を絞り込む

症状が出る時期と地域から、原因花粉をある程度絞り込めます。

  • 1月下旬〜4月上旬に症状が強い → スギ花粉が第一候補
  • 4月以降も症状が続く、または悪化する → ヒノキが加わっている可能性
  • 5月〜8月に鼻・目の症状がある → イネ科(カモガヤ等)を疑う
  • 8月〜10月に症状が出る → ブタクサ・ヨモギ
  • 春(4〜6月)に強い症状がある(北海道・東北在住) → シラカバ

ただしこれはあくまで目安です。ダニ・ハウスダストなど通年性アレルゲンとの重複も多いため、複数の季節にわたって症状が続く場合は耳鼻科でのアレルギー検査を受けるのが確実です。詳しい飛散時期の地域別カレンダーは花粉カレンダー完全版の記事もあわせてご確認ください。

Green cypress trees against a clear blue sky

よくある質問

スギが終わったのにまだ鼻水が出るのはなぜ?

スギの飛散が終わった後もヒノキが4〜5月に飛んでいます。スギとヒノキには交差反応があり、スギ花粉症の方の多くがヒノキにも反応します。「スギのシーズンが終わった」と思って薬をやめると、ヒノキに反応して症状がぶり返すことがあります。

秋にも花粉症ってあるの?

あります。8〜10月はブタクサやヨモギが飛散するシーズンです。「秋になったら楽になるはず」という思い込みがあると、症状が出ても原因の特定が遅れることがあります。

複数の花粉に反応しているかどうかはどうわかる?

血液検査(特異的IgE抗体検査)で、複数の花粉に対する反応を一度に調べられます。耳鼻科・アレルギー科で相談してみてください。検査の種類と費用についてはアレルギー検査の解説記事で詳しくまとめています。

花粉の種類が違っても市販薬は同じでいい?

第二世代抗ヒスタミン薬(アレグラ・クラリチン・アレジオン等)は、スギ・ヒノキ・イネ科・ブタクサなどどの種類の花粉症にも基本的に使えます。ただしイネ科花粉症で喘息様症状が強い場合は抗ヒスタミン薬だけでは対処しきれないケースがあります。市販薬の選び方は花粉症の市販薬おすすめ比較も参考にしてください。

まとめ

日本の主要花粉であるスギ・ヒノキ・イネ科・ブタクサ・ヨモギ・シラカバは、それぞれ飛散する時期も症状の出方も違います。症状が出ている時期と地域を照らし合わせることで、原因をある程度絞り込めます。

「薬を飲んでいるのに毎年つらい」「何の花粉に反応しているかわからない」という方は、一度アレルギー検査で確認してみることをおすすめします。原因が特定されると、薬の飲み始め時期も対策の組み方もずいぶん変わります。

点鼻薬を上手に使いたい方は花粉症の点鼻薬おすすめ記事もあわせてどうぞ。症状が長引いている場合は、自己判断だけで抱え込まず耳鼻科・アレルギー科に相談してみてください。

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