イネ科花粉症(カモガヤ・オオアワガエリ)の症状と対策|5〜9月に続く夏の花粉症を完全解説

yellow flower in green grass field during daytime 花粉症

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

スギ・ヒノキが終わっても症状が続く原因の多くは、イネ科植物の花粉(カモガヤ・オオアワガエリなど)です。飛散時期は5〜9月。河川敷や公園に自生し、都市部でも十分に飛散します。スギ花粉症と同系統の抗ヒスタミン薬が有効で、カモガヤには舌下免疫療法の選択肢もあります。

「ヒノキシーズンが終わったはずなのに、まだくしゃみが止まらない」と思ったことはありませんか。この記事では、夏の花粉症の原因になるイネ科花粉について、種類・飛散時期・対策・治療の選択肢まで整理します。

スギ・ヒノキが終わっても花粉症が続く理由

4月末から5月にかけてヒノキのシーズンが明けると、「もう花粉症は終わった」と思う方が多いはずです。でも、外に出ると鼻がむずむずする。喉がイガイガする。目がかゆい。

この時期から、イネ科植物の花粉が飛び始めています。

花粉症といえばスギやヒノキが話題になりがちですが、イネ科花粉症も花粉症患者のうち一定の割合に認められる症状で、スギ花粉症と重複して持っているケースも少なくありません。「花粉症シーズンが長すぎる」と感じている方は、このイネ科との重複が原因のことがあります。

(私もスギ・ヒノキが終わった頃に「治った!」と油断して河川敷で昼寝したら、翌日ひどいことになりました……)

イネ科の主な花粉の種類と飛散時期

原因植物の一覧

日本でアレルギー症状の原因になりやすいイネ科植物はいくつかあります。

植物名 飛散時期(目安) よく見られる場所
カモガヤ 5〜8月 道端・河川敷・公園
オオアワガエリ(チモシー) 5〜8月 牧草地・土手
ハルガヤ 4〜6月 道端・土手
ネズミホソムギ(ライグラス) 5〜8月 道端・公園
ススキ 8〜10月 野原・丘陵地

最も飛散量が多く症状の原因になりやすいのが、カモガヤとオオアワガエリです。除草されにくい環境、具体的には河川敷の土手・公園の縁・団地の空き地などに多く自生しています。

地域別の飛散ピーク

飛散時期は地域によってかなり異なります。

  • 関東・関西・東海: 5〜7月がメイン。早いと4月末から始まる
  • 北海道・東北: 6〜9月と長く続く。ススキの影響で秋まで続くことも
  • 九州・沖縄: 5〜7月が中心だが、飛散量は比較的少なめ

本州の都市部では、6月の梅雨入り前後が飛散ピークになることが多いです。梅雨中は雨で洗い流されてラクになりますが、梅雨明け後に再び飛散量が増えるケースもあります。

A field full of white flowers on a sunny day

スギ花粉症と何が違う? 症状の特徴

基本的な症状はスギ花粉症と似ています。くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが中心です。ただ、いくつか注意が必要な点があります。

喘息様症状が出やすい場合がある

イネ科花粉の粒子は比較的大きく、気道の深部まで届きにくいとされますが、草地の近くにいると咳や息苦しさを感じる方もいます。アレルギー性喘息を持っている場合は、イネ科シーズンに症状が悪化しやすいため、早めの対処が必要です。

口腔アレルギー症候群(OAS)との関連

カモガヤやオオアワガエリへのアレルギーがある方は、トマト・メロン・キウイ・スイカ・セロリなどを食べたときに口や喉がかゆくなる「口腔アレルギー症候群(OAS)」を起こすことがあります。花粉のたんぱく質とこれらの食物のたんぱく質が似た構造を持つため、体が交差反応を起こす現象です。

(この話を知ったとき、夏にスイカを食べるたびに口がイガイガしていた謎がやっと解けて、少しスッキリしました)

生のまま食べると症状が出やすく、加熱すると出にくくなります。症状が強い場合や繰り返す場合は、アレルギー科か耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。

日常でできる対策

飛散しやすい場所・時間帯を把握する

イネ科花粉の飛散量が多いのは、晴れて乾燥した日の午前中〜昼過ぎです。特に注意が必要な状況です。

  • 河川敷でのランニングや散歩(草丈と同じ高さに目があたりやすい)
  • 公園や土手でのレジャー
  • 草地に近い窓を全開にした換気

外出時は不織布マスクを着用し、帰宅後は玄関で上着を脱いで洗顔・うがいする習慣が有効です。花粉飛散情報は東京都アレルギー情報navi.や環境省の花粉飛散情報サービスで確認できます。

洗濯物の外干しに注意

スギ・ヒノキのシーズンと同様に、花粉が多い日は外干しを避けるか、乾燥機や浴室乾燥を活用しましょう。特に飛散ピーク時間帯(午前10時〜午後2時ごろ)の外干しは、衣類への花粉付着が増えます。

yellow petaled flower

薬と治療の選択肢

市販薬・処方薬での対応

抗ヒスタミン薬はイネ科花粉症にも有効です。スギ花粉症で処方された薬や市販薬が、そのままイネ科にも使えることが多いです。

薬の種類 主な効果 入手経路
第二世代抗ヒスタミン薬(内服) くしゃみ・鼻水・目のかゆみ 市販・処方どちらも
点鼻ステロイドスプレー 鼻づまり・炎症の抑制 主に処方薬
抗アレルギー目薬 目のかゆみ・充血 市販品も豊富
抗ロイコトリエン薬 鼻づまりが強い場合 処方薬のみ

血管収縮系の市販点鼻薬(スプレータイプ)は即効性がありますが、連用すると「薬剤性鼻炎」を起こすことがあるため、1週間以上の連続使用は避けましょう。
(まあ、花粉シーズン中に間を空けるなんてほぼ無理なんですけどね……)

症状が強い・長引く・市販薬で改善しない場合は、耳鼻咽喉科やアレルギー科への受診を検討してください。

カモガヤ舌下免疫療法

カモガヤに対しては、スギとは別のイネ科花粉用舌下免疫療法薬が2018年に保険適用となっており、毎日少量のアレルゲンエキスを舌の下で保持して体を慣らしていく治療です(具体的な製品名・適応条件は耳鼻科で要確認)。

スギとイネ科の舌下免疫療法を同時並行することについては、副作用リスクや効果評価の観点から原則として推奨されていません。実施の可否は専門医との十分な相談のうえで判断してください。効果が出るまでに1〜3年かかるため、長期的な取り組みが前提です。根本的な体質改善を目指す場合の選択肢として、耳鼻科で相談してみてください。

よくある質問

スギ花粉症でもイネ科アレルギーを持つことってある?

あります。スギとイネ科は別々のアレルゲンで、両方に感作されているケースは珍しくありません。「春はスギ・ヒノキで、初夏はイネ科で」と年の半分近くが花粉症シーズンになる方もいます。アレルギー検査(血液検査)でイネ科の特異的IgE抗体を調べれば確認できます。

スギ花粉症の薬はイネ科にも効く?

同系統の抗ヒスタミン薬や点鼻薬は有効なことが多いです。ただ、スギシーズンが終わったと思って服用をやめてしまい、初夏に症状がひどくなるパターンがよくあります。症状が続くようなら、服薬を再開するか耳鼻科で相談してみてください。

夏の花粉症が「夏風邪」と思われやすいのはなぜ?

「花粉症=春」という認識が根強いためです。夏に透明なサラサラした鼻水・くしゃみ・目のかゆみが繰り返し出る場合は、イネ科花粉やダニなどのアレルギーが原因の可能性があります。毎年夏に同じ症状が出るなら、一度アレルギー検査を受けるとはっきりします。

放置するとどうなる?

症状を放置すると慢性化しやすく、副鼻腔炎(蓄膿症)につながることもあります。アレルギー性鼻炎と喘息は合併率が高く、鼻炎を放置すると喘息の症状が悪化したり、喘息の発症リスクが高まることがあります。毎年繰り返す場合は、早めに耳鼻咽喉科やアレルギー科を受診することをおすすめします。

夏の花粉症、放置せずに向き合うために

  • スギ・ヒノキ終了後も症状が続く場合、イネ科花粉(カモガヤ等)が原因の可能性が高い
  • 飛散時期は5〜9月。地域によっては秋まで続く
  • 河川敷・公園など草地が多い場所で、乾燥した晴れの午前中が高リスク
  • 抗ヒスタミン薬はイネ科にも有効。スギシーズンに使っていた薬を確認してみる
  • カモガヤにはイネ科花粉用舌下免疫療法薬の選択肢あり(2018年保険適用、詳細は耳鼻科で要確認)
  • トマト・メロン・キウイ等との交差反応(OAS)にも注意

夏に「また風邪かな」とやり過ごしている症状が、実はずっと花粉症だったというケースは思いのほか多いです。アレルギー検査はほとんどの耳鼻科で受けられるので、思い当たる節があれば相談してみてください。

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