鼻ポリープ(鼻茸)の症状・原因・治療法完全ガイド|アレルギー性鼻炎との関係と手術が必要なケースを解説

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

鼻ポリープ(鼻茸)は、鼻の粘膜が慢性炎症でふくらみ垂れ下がった良性の病変です。ステロイド点鼻薬で縮小できるケースもありますが、大きくなると内視鏡手術が必要になります。アレルギー性鼻炎や好酸球性副鼻腔炎との合併も多く、「薬で治る?」「手術したら再発しない?」という疑問に、この記事でひとつずつ答えていきます。

鼻ポリープ(鼻茸)ってどんな病変なの?

鼻ポリープ(鼻茸)は、鼻腔の粘膜が慢性的な炎症によって水ぶくれ状に膨らみ、垂れ下がった良性の病変です。主に中鼻道(鼻の中央あたり)や篩骨洞(鼻の奥にある骨の空洞)の粘膜から生じます。

色は灰白色から半透明、質感はゼリーのように柔らかいのが特徴です。鼻の穴から直接見えることは少なく、耳鼻科での内視鏡検査ではじめて確認されるケースがほとんどです。

小さいうちは症状が目立ちませんが、成長するにつれて鼻腔をふさいでいきます。気づいたときには左右両側に広がっていた、というケースも珍しくありません。

できる原因|副鼻腔炎・アレルギーとの関係

鼻ポリープは「単独の病気」ではなく、別の炎症性疾患の結果としてできることがほとんどです。主な原因を整理します。

慢性副鼻腔炎

副鼻腔(頬や眉間の骨の空洞)に炎症が3ヶ月以上続く状態です。細菌・ウイルス感染を繰り返すうちに粘膜が肥厚し、鼻茸につながります。いわゆる「蓄膿症」が慢性化したケースがこれにあたります。

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好酸球性副鼻腔炎(ECRS)

アレルギーに関わる「好酸球」という免疫細胞が副鼻腔に集まり、強い炎症を起こす疾患です。通常の副鼻腔炎と異なり、左右両側に鼻茸ができやすく、手術をしても数年以内に再発することが多いとされています。2015年から難病指定を受けており、長期的な管理が前提になります。

嗅覚低下が早い段階から現れることが多く、「においが以前より薄い」と感じたら要注意です。

アレルギー性鼻炎との共存

アレルギー性鼻炎(ハウスダスト・花粉など)が直接鼻茸を作るわけではありません。ただし、慢性的な鼻粘膜の炎症を長引かせる要因になります。鼻茸のある患者さんにアレルギー性鼻炎が合併しているケースは多く、治療においてもアレルギーのコントロールが同時に重要です。

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アスピリン不耐症(サンプター症候群)

アスピリンやNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)を服用したときに鼻炎・喘息発作が起きる体質のことです。この体質の方は好酸球性副鼻腔炎を起こしやすく、鼻茸の再発リスクも高めです。解熱鎮痛薬を飲んで鼻症状が悪化した経験がある方は、受診時に必ず医師に伝えてください。

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症状チェックと受診のすすめ方

以下の症状が続いている場合、鼻茸が原因である可能性があります。複数当てはまるなら耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。

  • 慢性的な鼻づまり(特に両鼻)
  • においがわからない・薄くなった(嗅覚低下)
  • 食べ物の味がぼんやりする(味覚低下)
  • 喉の奥に鼻水が流れ続ける感覚がある(後鼻漏)
  • 顔の奥(頬・眉間あたり)に圧迫感・重さがある

(市販の鼻炎薬を飲み続けても鼻づまりが全然改善しない、というときはポリープが詰まっている可能性がそれなりにあります。「薬が効かない体質なのかも」で終わらせずに、一度耳鼻科に行くことをおすすめします。)

受診先は耳鼻咽喉科(耳鼻科)です。内科や皮膚科では内視鏡検査ができないため、最初から耳鼻科を受診してください。頭頸部外科を標榜しているクリニックや病院でも対応できます。

診断では主に以下の検査を行います。

  • 鼻内視鏡検査:細いカメラで鼻腔内を直接確認し、ポリープの有無・大きさ・位置を判断します
  • 副鼻腔CT:炎症の広がりを確認し、手術適応の判断に使います
  • 血液検査:好酸球数・総IgE値・特異的IgE(アレルゲン)などを測定します
  • 病理検査:手術時に採取した組織を調べ、好酸球性かどうかを確定します

紹介状が必要かどうかについては、近くの耳鼻科で初診を受け、必要に応じて大学病院や総合病院へ紹介してもらうのが一般的な流れです。

治療の選択肢と手術の判断基準

鼻茸の治療は「薬で縮小を目指す」か「手術で取り除く」かが基本の軸です。近年は生物学的製剤という新しい選択肢も加わりました。

ステロイド点鼻薬(第一選択)

まず試みるのがステロイド点鼻薬(フルチカゾン・モメタゾンなど)です。副鼻腔の炎症を抑え、小〜中程度の鼻茸を縮小させる効果が期待できます。少なくとも1〜3ヶ月は続けないと効果の判断ができません。長期使用が前提です。

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短期経口ステロイド

点鼻薬だけでは不十分な場合に、プレドニゾロンなどを1〜2週間飲む方法です。急いで症状を改善したい場面で補助的に使います。長期連続使用は副作用リスクがあるため、あくまで短期の対応として位置づけられます。

内視鏡手術(FESS:機能的内視鏡下副鼻腔手術)

薬の効果が不十分な場合や、鼻腔がほぼふさがっている場合に検討します。内視鏡を鼻から挿入してポリープを切除する方法で、顔を切ることはありません。入院期間は施設によって1〜5日程度が目安です。

手術を検討する主な判断基準は以下のとおりです。

  • ステロイド点鼻薬を3ヶ月以上続けても改善しない
  • 鼻茸が両側に広がり、鼻腔がほぼふさがっている
  • 嗅覚がほぼ失われている
  • 睡眠障害・集中力低下など、QOLへの影響が大きい

生物学的製剤(デュピクセント:デュピルマブ)

2022年に「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎」への適応を取得したのが、デュピクセント(デュピルマブ)です。2型炎症を促すサイトカイン(IL-4・IL-13)を阻害する注射薬で、主に手術後に再発した重症の好酸球性副鼻腔炎患者さんが対象になります。

(費用は2週に1回の皮下注射で、高額療養費制度を使っても月数万円単位になるケースがあります。費用のハードルは正直高い。それでも、手術を繰り返してきた方には選択肢が増えたことは大きいと思います。)

治療法の比較

治療法 主な適応 効果の特徴 注意点
ステロイド点鼻薬 軽〜中等症・初期治療 小〜中程度の縮小 長期継続が必要
経口ステロイド(短期) 急性増悪時の補助 比較的速やかに縮小 長期使用は不可
内視鏡手術(FESS) 薬で不十分・両側大型 物理的に除去 好酸球性は再発しやすい
デュピクセント 重症・手術後再発 2型炎症を根本から抑制 高額・注射が必要

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好酸球性副鼻腔炎と再発リスク

好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は手術で除去しても数年以内に再発するケースが多い疾患です。難病指定疾患であり、「完全な根治」よりも「炎症のコントロール」が現実的な目標になります。

術後の管理として行われるのは主に3点です。

  • ステロイド点鼻薬の継続(毎日使用)
  • 鼻洗浄(生理食塩水での洗い流し)による炎症の洗い流し
  • 定期的な耳鼻科受診(内視鏡での再発チェック)

再発が繰り返される場合はデュピクセントの使用を担当医と相談するのが現実的な選択肢です。「手術すれば終わり」という疾患ではないことを念頭に置いて、長期的に耳鼻科に通う前提で治療に臨んでください。

よくある質問

鼻茸は放置すると自然に治る?

ほぼ治りません。原因となる炎症が続く限り、鼻茸は維持されるか拡大します。症状が軽いうちに治療を始めることが、手術を回避するためのポイントです。

アレルギー性鼻炎の薬は鼻茸にも効く?

抗ヒスタミン薬など、アレルギー性鼻炎向けの薬は鼻茸そのものを縮小させる効果を持ちません。ただし、アレルギーが合併している場合は鼻粘膜の炎症全体を抑える補助として使います。鼻茸の縮小にはステロイド点鼻薬が必要です。

手術したら再発しない?

好酸球性副鼻腔炎では数年以内の再発率が高く、「手術で終わり」とはいかないことが多いです。通常の慢性副鼻腔炎由来の鼻茸は、術後の管理を続けることで再発を抑えやすいとされています。いずれも、術後のケアを続けることが前提です。


慢性的な鼻づまりや嗅覚の低下は「仕方ない」と思いがちですが、鼻茸が原因であれば治療で改善できる可能性があります。市販薬で対応しきれない症状が続いているなら、一度耳鼻科を受診してみてください。早めに診てもらうほど、選択肢が広がります。

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