こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。
秋の花粉症の主な原因はブタクサ・ヨモギ・イネ科の3つ。飛散時期は8〜11月で、症状が出る前の今の7月こそ準備を始めるベストタイミングです。初期療法を早めにスタートし、室内のダニ対策と空気清浄機のメンテナンスを今のうちに済ませておくだけで、9月以降のしんどさがかなり変わります。
秋の花粉症3大原因と飛散時期カレンダー(8〜11月)
「花粉症は春だけ」と思い込んでいる人が多いですが、8月を過ぎても花粉は飛んでいます。秋の花粉症を引き起こす植物は主に3種類です。
ブタクサ(8〜10月、地域によっては11月初旬まで)
北アメリカ原産の帰化植物で、河川敷・空き地・道路脇などに群生します。飛散時期は8月上旬〜10月、ピークは9月上中旬ごろです。スギ花粉のように山から飛んでくるのではなく、都市部の生活圏に発生源があります。自転車や徒歩での通勤・通学中に吸い込みやすい花粉です。
粒子径は約18〜25μmとスギ(約30μm)より小さめで、マスクのフィット感が甘いと隙間から入りやすい点も注意が必要です。
→ブタクサ花粉症の症状・時期・対策|秋の花粉症に気づかない人が多い理由と完全対策ガイド
ヨモギ(8月下旬〜10月)
ヨモギはブタクサと同じキク科の植物で、土手・里山・農地周辺に広く生育しています。飛散時期はブタクサとほぼ重なり、9月にピークを迎えます。両方のアレルゲンに反応する人も少なくないため、「ブタクサだけ調べたら陰性だったのに秋に症状が出る」という場合は、ヨモギも検査してみると答えが出ることがあります。
→ヨモギ花粉症の症状・時期・対策完全ガイド|秋に見落とされがちな鼻炎の原因と対処法
イネ科(春〜夏がピーク。ススキ・アシなど一部の種は秋まで続く)
イネ科の花粉症は春から夏がメインです。カモガヤ(オーチャードグラス)・オオアワガエリ(チモシー)の飛散ピークは5〜7月ごろで、これらの主要種は概ね夏までに落ち着きます。ただし、イネ科は種類が非常に多く、ススキ・アシ(ヨシ)・オヒシバ・メヒシバなどは8〜10月にかけて花粉を飛散させます。「夏の終わりから秋口にかけて毎年鼻炎が長引く」という人は、これらのイネ科植物が関与している可能性があります。
| 植物 | 飛散時期 | ピーク | 主な発生場所 |
|---|---|---|---|
| ブタクサ | 8月〜10月(一部11月初旬) | 9月上中旬 | 河川敷・空き地・道路脇 |
| ヨモギ | 8月下旬〜10月 | 9月 | 土手・里山・農地周辺 |
| イネ科(カモガヤ・オオアワガエリなど) | 5月〜7月 | 5〜7月 | 草地・公園・河川敷 |
| イネ科(ススキ・アシ・オヒシバなど) | 8月〜10月 | 8〜9月 | 草地・河川敷・農地周辺 |
飛散時期は地域や年によって前後します。関東以南と北海道では2〜3週間ずれることがあるため、お住まいの地域の花粉情報を確認してください。
春の花粉症と何が違う?気づきにくい3つの理由
秋の花粉症は、春に比べて「発見が遅れやすい」症状です。その理由は主に3つあります。
飛散量がはるかに少ない
スギ花粉は年間数十億個単位もの飛散量ですが、ブタクサ・ヨモギは草本系花粉なので飛散量がはるかに少ない。症状が軽め、または「あの道を通ると鼻がつらい」という局所的な出方をすることが多く、「ちょっと調子が悪いだけかな」と片づけやすいのです。
(私自身も数年前まで、9月の鼻炎を「夏バテが長引いているだけ」と信じて疑いませんでした。秋花粉を疑うという発想が、そもそもなかったんですよね)
発生源が生活圏の中にある
春のスギ・ヒノキは山から飛んでくる花粉ですが、秋の草本花粉は街のそこかしこに生えています。毎年「あの公園の脇を通るといつも鼻がズルズルする」という心当たりがある方は、沿道のブタクサが原因かもしれません。逆に言えば、発生源を避けるだけで症状がかなり変わる可能性があります。
「秋は花粉症シーズンじゃない」という思い込み
春の花粉症は社会的にも広く認知されていますが、秋の花粉症に関する情報は春に比べてまだ少ない。毎年9〜10月に鼻炎症状が繰り返すという方は、一度耳鼻科でブタクサ・ヨモギを含むアレルギー検査を受けてみると、答えが出ることがあります。
梅雨明け後に症状が急悪化しやすい理由|ダニ・カビとの複合アレルギー
7月から8月にかけて「梅雨が明けてからも鼻炎が続く、むしろ悪化する」という方は、ダニ・カビとの複合要因が絡んでいる可能性があります。
梅雨の高温多湿でダニは急増します。6〜8月にかけて布団・カーペット・ソファーにダニの死骸とフン(アレルゲン)が蓄積しており、梅雨明けに窓を開けて換気した際にこれらが室内に舞い上がります。これが屋内の要因です。
屋外では同じ8月から、ブタクサ花粉の飛散が始まります。「外に出ると鼻が出て、家に帰っても楽にならない」という状態が続く場合、室内外のアレルゲンが重なって悪化しています。秋の鼻炎が春より「なかなか楽にならない」と感じやすいのは、この複合構造が一因です。
梅雨明け直後の7月下旬は、布団のダニ対策を進める最良のタイミングでもあります。梅雨明けの晴れた日に布団を天日干しすると湿気が取れてダニの繁殖を抑制できます。ただし、天日干しでは布団内部の温度がダニの死滅に必要な50℃以上に達しにくいため、天日干し単独での死滅効果は限定的です。効果的なのは、布団乾燥機(50〜60℃)でダニを死滅させた後、布団の表面を掃除機で丁寧に吸い取るセットです。ダニの死骸やフン自体がアレルゲンなので、熱処理後の掃除機がけまで行って初めてアレルゲンを大幅に減らせます。
初期療法はいつ始める?7月下旬〜8月上旬が目安
抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬・ケミカルメディエーター遊離抑制薬など)を花粉飛散の1〜2週間前から飲み始めると、シーズン中の症状を抑えやすくなります。これを「初期療法(前投薬)」と呼び、日本アレルギー学会「鼻アレルギー診療ガイドライン2020」でも推奨されている方法です。
ブタクサの飛散が早い地域では8月上旬からシーズンが始まることもあるため、7月下旬〜8月上旬には飲み始めておくのが目安です。春の花粉症で処方・購入した薬がそのまま秋花粉にも使えるかどうかは成分によりますが、判断に迷う場合は薬剤師または医師に確認するのが確実です。
初期療法の具体的な薬の選び方や開始タイミングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
→花粉症の薬はいつから飲み始める?初期療法の効果・タイミング・おすすめ薬を徹底解説
なお、ブタクサ・ヨモギ・イネ科に対する舌下免疫療法は、2026年時点で日本では保険適用の製剤がありません(スギとダニのみ保険適用)。根治療法を希望する場合は、耳鼻科に相談してください。

7月中にやるべき準備チェックリスト
秋のシーズンが始まる前の今のうちに、以下の5つを確認しておきましょう。
- 春シーズンの薬が残っているか確認する。量が少ない場合は7月中に補充または受診を済ませておく。
- 空気清浄機のプレフィルターを掃除機で吸い取り、HEPAフィルター(集じんフィルター)はメーカー指定の方法で状態を確認する。梅雨期間中のカビや汚れを吸着しているため、清掃・点検しないと集塵効率が落ちている。
- 梅雨明けの晴れた日(湿度60%以下が目安)に布団乾燥機(50〜60℃)でダニを死滅させ、その後布団の表面を掃除機で吸い取る。天日干しは湿気除去には有効だが、死滅効果は限定的。ダニの死骸・フンがアレルゲンのため、乾燥機使用後の掃除機がけとセットで行う。ダニアレルゲンはピークが9〜10月なので、ここで減らしておくと後が楽になる。
- 河川敷の遊歩道や空き地沿いのルートを使っている場合、8月以降の迂回ルートを頭に入れておく。
- 「秋にも毎年鼻炎になるのに原因不明のまま」という方は、シーズン前に耳鼻科でブタクサ・ヨモギを含む血液検査を予約する。原因アレルゲンを特定しておくと、薬の選択や対策が格段に絞り込みやすくなる。
秋花粉に備えた対策グッズ
マスク
春と同じ不織布マスクで対応できます。ブタクサ花粉の粒子径は約18〜25μmで、スギ花粉(約30μm)より小さめです。ノーズワイヤーをしっかり形成してフィット感を確保するか、立体型を選ぶと漏れを減らせます。
(秋はまだ暑い時期と重なるので、常時マスクをつけたくない気持ちはよくわかります。症状がひどい日の外出時だけでも、つけるだけで吸い込む花粉量はかなり減ります)
空気清浄機
秋シーズン前に必ずフィルター状態を確認してください。春花粉シーズン後に放置していると、フィルターが目詰まりして集塵効率が落ちています。HEPAフィルター搭載モデルなら花粉だけでなく、ダニの死骸やカビ胞子にも対応できます。
プレフィルターは掃除機での吸い取り清掃でOKです。HEPAフィルター(集じんフィルター)については、掃除機で吸い取るのは多くのメーカーで推奨されていません。繊維が傷ついて集塵性能が低下するリスクがあるためです。HEPAフィルターの点検・交換はメーカーの取扱説明書を確認してください。交換の目安は製品や使用環境によって異なりますが、多くのメーカーで2年程度以上とされています。リビングと寝室の2台体制をとっている場合は、寝室のフィルターを優先的に確認してください。ダニアレルゲンは就寝中に最も多く吸い込むためです。
よくある質問
春に使っていた花粉症の薬、秋もそのまま飲んでいい?
成分によっては使い続けられます。第二世代抗ヒスタミン薬(セチリジン・ロラタジン・フェキソフェナジンなど)はブタクサ・ヨモギにも作用します。ただし、春のシーズンが終わってから長期間服用を中断している場合は、再開前に薬剤師か医師に一度確認するのが安心です。用量や飲み合わせを含めて相談しておくと、より適切な対応ができます。
秋花粉の症状は自然に治まる?
ブタクサ・ヨモギの飛散は10月末〜11月初旬ごろには落ち着きます。ただし、ダニアレルゲンのピークが9〜10月のため、花粉が終わったあとも鼻炎症状が続くことがあります。「花粉が終わったはずなのになぜか楽にならない」という場合は、ダニアレルギーが重なっている可能性を疑ってみてください。
アレルギー検査はシーズン前でも受けられる?
受けられます。血液検査は通年で実施できます。特に「毎年秋に鼻炎が続くけれど春の花粉症と薬が違うのか気になる」「春の薬をそのまま使っていいか確認したい」という方は、ブタクサ・ヨモギを含む多項目検査を受けると原因アレルゲンを特定できます。検査を受けるタイミングは、症状が出ていない時期でも問題ありません。
まとめ:秋の花粉症対策は7月に動いた人が楽になる
秋の花粉症対策は「症状が出てから薬を探す」では遅い。初期療法の開始タイミングを逃すと、症状が出てから薬が十分に効くまでにタイムラグが生じます。7月のうちに薬の確認・フィルター清掃・ダニ対策を一通り済ませておくと、8〜9月のシーズンインをずっと楽に迎えられます。
毎年秋に症状が重い、春とは別の時期にもつらい、市販薬がどうも効きにくい、という場合は耳鼻科を受診してください。原因アレルゲンを特定してから対策と薬を選ぶと、より効率よく症状をコントロールできます。
春の花粉症シーズンに向けた準備については、対になる記事もあわせて参考にしてみてください。


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