こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。
花粉症・鼻炎の薬は、他の薬と一緒に飲んでいいのか迷う場面が多いですよね。結論から言うと、風邪薬は抗ヒスタミン成分の重複に、睡眠改善薬は眠気増強に注意が必要です。解熱鎮痛剤や胃薬は多くの場合問題ありません。血圧・糖尿病など慢性疾患の薬を服用中の方は、自己判断は禁物です。必ず薬剤師か医師に確認してください。
飲み合わせで何が起きる?まず知っておきたい基礎知識
「飲み合わせ(薬物相互作用)」とは、2種類以上の薬を同時に使ったとき、お互いの効果や副作用に影響が出ることをいいます。具体的には次の3つのパターンがあります。
- 同じ成分が重なって過剰になる(重複摂取)
- 一方の薬がもう一方の吸収・代謝を変える
- 2つの薬の作用が重なって副作用が強まる
花粉症・鼻炎の薬(抗ヒスタミン薬)でとくに起きやすいのが、「重複摂取」と「眠気の増強」です。この2点を軸に、以下で組み合わせ別に整理します。
市販薬(アレグラ・ザイザル・クラリチン)別の飲み合わせ注意まとめ
主な市販の花粉症薬について、組み合わせごとの注意点をまとめました。添付文書の記載および一般的な薬学的知見をもとにしています。
| 組み合わせる薬 | アレグラFX(フェキソフェナジン) | ザイザルL(レボセチリジン) | クラリチンEX(ロラタジン) |
|---|---|---|---|
| 風邪薬(総合感冒薬) | 抗ヒスタミン成分の重複に注意 | 抗ヒスタミン成分の重複に注意 | 抗ヒスタミン成分の重複に注意 |
| 市販の睡眠改善薬 | 眠気増強に注意 | 眠気増強に注意 | 眠気増強に注意 |
| 解熱鎮痛剤(ロキソニン等) | 大きな相互作用なし | 大きな相互作用なし | 大きな相互作用なし |
| 制酸剤(アルミニウム・マグネシウム系) | 吸収が低下することがある※ | 大きな相互作用なし | 大きな相互作用なし |
| 整腸剤 | 問題なし | 問題なし | 問題なし |
| アルコール | 眠気増強に注意 | 眠気増強に注意 | 眠気に注意 |
| 慢性疾患薬(血圧・糖尿病・精神科系等) | 薬剤師・医師に確認 | 薬剤師・医師に確認 | 薬剤師・医師に確認 |
※アレグラFX(フェキソフェナジン)は、アルミニウム・マグネシウムを含む制酸剤と同時に服用すると血中濃度が低下することが知られています。2時間程度間隔を空けるか、薬剤師に相談してください。
とくに注意してほしい組み合わせ① 風邪薬・睡眠改善薬との組み合わせ
花粉症シーズンに「鼻炎薬と風邪薬を両方飲んでいる」という方は、珍しくないと思います。しかし、知らず知らず同じ成分を二重に摂っている可能性があります。
市販の総合感冒薬(風邪薬)の多くには、抗ヒスタミン成分「クロルフェニラミン」が含まれています。鼻水・くしゃみを抑えるためです。そこに鼻炎薬(抗ヒスタミン薬)を加えると、抗ヒスタミン作用が過剰になり、眠気・口の渇き・排尿困難などの副作用が出やすくなります。
(成分表示をちゃんと読んでから飲んでいるかというと…正直、パッケージを流し見するだけで買ってしまいますよね。私もそうでした)
同じことが「市販の睡眠改善薬」にも当てはまります。ドリエルなどの睡眠改善薬に含まれる「ジフェンヒドラミン」は第一世代の抗ヒスタミン薬です。アレグラ・ザイザル・クラリチンとは異なる成分ですが、ともに抗ヒスタミン作用を持つため、組み合わせると眠気が増強することがあります。花粉症シーズンに「薬を飲んでも眠れない」からと睡眠改善薬を追加するのは、眠気をさらに強める方向に働くことがあります。
どちらか一方に絞るのが基本です。風邪症状と花粉症の症状が同時に出ているときは、薬剤師に相談して抗ヒスタミン作用が重ならない組み合わせを選んでもらうのが確実です。
とくに注意してほしい組み合わせ② 解熱鎮痛剤・胃薬との飲み合わせ
解熱鎮痛剤との飲み合わせ
ロキソニン(ロキソプロフェン)やバファリン(アスピリン・イブプロフェン系)などの解熱鎮痛剤は、抗ヒスタミン薬との大きな相互作用は一般的に報告されていません。花粉症による頭痛やのどの痛みに鎮痛薬を使うことは、多くの場合で問題なしとされています。
ただし、空腹時の服用は胃への負担が増えるため、食後か食事と一緒に飲むのが基本です。
→花粉症で頭痛・だるさが起きる理由と対処法|全身症状を和らげる実践ガイド
胃薬・整腸剤との飲み合わせ
整腸剤は一般的に問題なし。ただしアレグラ(フェキソフェナジン)を飲んでいる方だけ、1点注意があります。アルミニウムやマグネシウムを含む制酸剤(マーロックスなど)を同時に飲むと、アレグラの血中濃度が下がることが知られています。
なお、胃粘膜保護薬のスクラルファート(アルサルミンなど)は制酸剤とは作用機序が異なる薬ですが、アルミニウムを含む成分です。フェキソフェナジン添付文書が直接注意を求めているのは「アルミニウム及びマグネシウム含有制酸剤」ですが、アルミニウム含有薬全般について念のため薬剤師に確認することをおすすめします。
気になる場合は、アレグラを先に飲んでから2時間後に胃薬を飲むか、薬剤師に相談するのが確実です。ガスター(ファモチジン)などのH2ブロッカー系胃薬については、この制限は当てはまりません。

慢性疾患の薬を飲んでいる方へ
血圧降下薬、糖尿病治療薬、精神科系の薬(抗うつ薬・抗不安薬・抗精神病薬)を服用している方は、自己判断で市販の花粉症薬を追加するのを避けてください。
理由は2つあります。
1つ目は、相互作用の予測が難しいこと。慢性疾患薬は種類が多く、組み合わせによって異なる影響が出ることがあります。
2つ目は、副作用の重なり。とくに抗うつ薬・抗不安薬と抗ヒスタミン薬は、ともに中枢神経に作用します。眠気や認知機能への影響が増すことがあります。
処方薬で花粉症・鼻炎も治療している方は、担当医に市販薬を使いたい旨を伝えるのが一番です。お薬手帳に記録があれば、それを薬局に持参するだけで薬剤師がチェックしてくれます。
(「薬剤師に聞けばいいのはわかってるけど、毎回聞くのも気が引けて…」という気持ち、よくわかります。でも薬局での相談は無料ですし、薬剤師はそのために存在しています。遠慮せず聞くのが正解です)
お酒(アルコール)と鼻炎薬の組み合わせ
アルコールと抗ヒスタミン薬の同時摂取は、眠気・反応速度の低下・判断力への影響が重なります。特に眠気の出やすい第一世代抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン・ジフェンヒドラミン含有のもの)との相性は最悪です。
第二世代(アレグラ・クラリチン・ザイザルなど)は比較的眠気が出にくいとされていますが、それでもアルコールとの組み合わせで眠気が増強することがあります。飲酒の機会がある日は、鼻炎薬の服用タイミングを前にずらすか、アルコールを控えるのが安心です。
(「少量なら大丈夫」と思いがちですが、抗ヒスタミン薬とお酒が重なると眠気が段違いになります。翌朝の鼻水がさらに増すのも込みで、私は身をもって覚えました)
また、お酒自体がアレルギー症状を悪化させる要因になることも知られています。仕組みと対策の詳細はこちら。
→花粉症とお酒の関係|飲酒で症状が悪化するメカニズムと花粉シーズンの上手な付き合い方
薬剤師に相談するときに伝えるべきこと
薬局で「飲み合わせを確認したい」と伝えるとき、以下の情報があるとスムーズです。
- 現在服用中の薬の名前(処方薬・市販薬・サプリすべて)
- お薬手帳(持っている場合)
- 購入したい薬の名前、または症状
- 基礎疾患の有無(高血圧・糖尿病・肝疾患・腎疾患など)
- 妊娠中・授乳中かどうか
妊娠中・授乳中の飲み合わせについては別記事でまとめています。該当する方はそちらを先にご覧ください。
→妊娠中・授乳中の花粉症対策|飲める薬・飲めない薬と安全にできる対処法
FAQ
風邪薬と花粉症の薬、両方飲んでいい?
基本的には避けたほうが安全です。多くの総合感冒薬に抗ヒスタミン成分(クロルフェニラミンなど)が含まれており、鼻炎薬と重複します。どちらか一方に絞るか、成分が重ならないことを確認してから服用してください。不安なら薬剤師への確認が一番です。
アレグラとロキソニンは一緒に飲める?
一般的に、フェキソフェナジン(アレグラ)とロキソプロフェン(ロキソニン)の間に大きな相互作用は報告されていません。ただし個人差や他の薬との組み合わせによって変わることもあるため、心配な場合は薬剤師にご確認ください。
ザイザルと睡眠改善薬は一緒に飲んでいい?
市販の睡眠改善薬にはジフェンヒドラミン(第一世代抗ヒスタミン薬)が含まれています。ザイザル(レボセチリジン)とは異なる成分ですが、ともに抗ヒスタミン作用を持つため、組み合わせると眠気が増強します。基本的に併用は避けてください。
花粉症の薬を飲みながら飲酒はできる?
推奨できません。第一世代抗ヒスタミン薬はアルコールとの組み合わせで眠気・反応速度の低下が著しくなります。第二世代でも眠気が増強することがあります。運転や集中が必要な場面の前後は特に注意してください。
薬の飲み合わせが心配なときはどこに相談すればいい?
薬局の薬剤師への相談が手軽で確実です。処方薬を服用中の場合は、処方した医師か担当薬剤師に確認するとより安心です。お薬手帳を持参すると相談がスムーズになります。
まとめ
花粉症・鼻炎の薬の飲み合わせで押さえておきたいのは3点です。
風邪薬は抗ヒスタミン成分の重複に注意、睡眠改善薬は眠気増強に注意。どちらも「クロルフェニラミン」「ジフェンヒドラミン」を含む薬との同時服用は避けてください。
解熱鎮痛剤・整腸剤は基本的に問題なし。アレグラを飲んでいる方は、アルミニウム・マグネシウム系の制酸剤との服用タイミングだけ意識しておくと安心です。
慢性疾患の薬を服用中の方は必ず薬剤師・医師に確認。自己判断での追加はしないでください。
副作用についての詳細はこちらにまとめています。
→花粉症・鼻炎の薬の副作用まとめ|眠気・口渇・胃もたれの原因と対処法、副作用が少ない薬の選び方
飲み合わせへの不安は、薬局での一言相談で解消できます。お薬手帳を持って、気軽に聞いてみてください。


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