ステロイド点鼻薬の選び方|フルナーゼ・ナゾネックス・アラミストを比較

a person holding a pack of pills in their hand 花粉症

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

ステロイド点鼻薬を調べると、フルナーゼ・ナゾネックス・アラミストといった名前が次々と出てきて「結局どれがいいの?」となりがちです。まず結論をお伝えすると、市販で購入できるのはフルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用>(第1類医薬品)のみです。ナゾネックス・アラミスト・エリザスは病院での処方箋が必要。どれが自分に向いているかは、成分・1日の使用回数・費用・入手方法の4軸で比較すると整理しやすくなります。

ステロイド点鼻薬とは何か

ステロイド点鼻薬は、鼻の粘膜にステロイド成分を直接届けて炎症を抑える薬です。

花粉症の薬といえばアレグラやクラリチンなどの抗ヒスタミン薬が知られていますが、ステロイド点鼻薬はそれとは作用のしくみが違います。抗ヒスタミン薬がアレルギー反応で放出されるヒスタミンをブロックするのに対して、ステロイド点鼻薬は炎症そのものを鎮めます。鼻水・くしゃみ・鼻づまりのすべてに効くため、中等症〜重症の花粉症では第一選択薬として処方されることが多いです。

「ステロイド」と聞くと副作用が怖くなる方もいますが、点鼻薬の場合は鼻粘膜に局所的に作用し、血液中への移行量はごく少量です。飲み薬のステロイドとは別物として考えてください。

主要ステロイド点鼻薬の比較

市販品・処方箋品を含めた主要製品を一覧で比較します。

製品名 成分名 区分 1日使用回数 費用目安
フルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用> フルチカゾンプロピオン酸エステル 市販OTC(第1類) 1回 1本1,500〜2,000円前後
フルナーゼ(処方) フルチカゾンプロピオン酸エステル 処方箋のみ 1〜2回 保険適用(3割負担で月数百円〜)
ナゾネックス モメタゾンフランカルボン酸エステル 処方箋のみ 1回 保険適用
アラミスト フルチカゾンフランカルボン酸エステル 処方箋のみ 1回 保険適用
エリザス シクレソニド 処方箋のみ 1回 保険適用
リノコート ブデソニド 処方箋のみ 2〜4回 保険適用

成分名が複雑に見えますが、フルナーゼとアラミストはどちらも「フルチカゾン」系です。アラミストはフランカルボン酸エステル型で全身への吸収量が少ない設計になっており、副作用の観点で比較されることがあります。ナゾネックスはモメタゾン系で1日1回の使用で済み、花粉症シーズンに処方数の多い製品のひとつです。

(価格面では、市販のフルナーゼ点鼻薬より保険適用の処方品のほうが1ヶ月トータルで安くなるケースが多いです。手軽に試せるのが市販品のメリットですが、コストを考えるなら一度受診して処方してもらうのも十分アリです)

処方薬と市販薬の使い分けについては以下も参考にしてください。

花粉症の処方薬と市販薬の違い|市販薬が効かないときに病院で処方してもらうべき薬とは

ナゾネックスはなぜ市販で売られていないのか

ナゾネックスが薬局で買えないのは、薬事上の手続きの問題があります。

日本の薬事制度では、医療用医薬品を市販薬に切り替えるには製薬会社が厚生労働省にスイッチOTC申請を行い、承認を受ける必要があります。ナゾネックスもアラミストも、現時点で製薬会社がOTC申請をしていないため市販されていません。医療機関での処方ルートで十分な供給ができている事情もあります。

一方、フルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用>はグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン(現Haleonグループ)が2023年に第1類医薬品としてスイッチOTC承認を取得し、薬局で購入できるようになりました。同じステロイド点鼻薬でも、会社の申請判断次第で市販品になるかどうかが変わります。

副作用を正しく理解する

ステロイド点鼻薬で最も報告が多い副作用は鼻出血です。

鼻出血の主な原因は薬の成分そのものよりスプレーの当て方にあります。鼻の中央にある仕切り(鼻中隔)に向けて噴射すると粘膜を傷つけやすく、出血しやすくなります。外側の壁に向けて軽く噴射するのが正しいやり方です。点鼻薬の正しい使い方は以下の記事で詳しく解説しています。

花粉症の点鼻薬おすすめ|ステロイド・血管収縮剤の違いと正しい使い方

もうひとつ注意したいのが、市販の鼻炎スプレーとの混同です。コンタック鼻炎スプレーなど一般的な鼻炎スプレーの多くは、ステロイドではなく血管収縮剤(ナファゾリン塩酸塩など)が主成分です。短期的に鼻づまりを改善しますが、連続使用すると症状が悪化する「薬剤性鼻炎」を起こすことがあります。ステロイド点鼻薬とは別物です。

薬剤性鼻炎(点鼻薬の使いすぎ)とは?症状・原因・治し方を徹底解説|市販の鼻炎スプレーをやめられない人へ

ステロイド点鼻薬自体には薬剤性鼻炎のリスクは低いとされていますが、用法・用量は添付文書または薬剤師・医師に確認しながら使ってください。

他の薬との組み合わせ治療

ステロイド点鼻薬は単独でも効果がありますが、症状に応じて他の薬と組み合わせるのが一般的です。

くしゃみ・鼻水が主な症状の方は、抗ヒスタミン薬(内服)との組み合わせが基本です。ヒスタミンをブロックする抗ヒスタミン薬と、炎症を鎮めるステロイド点鼻薬を使うことで、鼻の複数の症状を同時にカバーできます。

鼻づまりが特に強い場合は、抗ロイコトリエン薬(内服)との組み合わせも選択肢になります。抗ロイコトリエン薬は鼻粘膜の腫れに関わるロイコトリエンという物質をブロックする薬で、ステロイド点鼻薬と組み合わせることで鼻づまりへの効果が出やすくなるとされています。

目のかゆみには点鼻薬は効かないため、アレルギー用目薬を別途使うのが一般的です。

(市販薬でいろいろ試行錯誤していた時期より、耳鼻科で処方を受けてから症状が明らかに楽になりました。症状の重さに合わせて薬を調整してもらえるのが病院受診のメリットだと感じています)

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よくある質問

毎日使い続けていいの?

毎日継続して使うことで効果が安定する薬です。症状が一時的に落ち着いても、花粉シーズン中は続けて使うのが基本です。「調子のいい日だけやめる」を繰り返すより、毎日の使用を習慣にしたほうが安定した効果が得られます。長期使用や自己判断での増量は医師・薬剤師に確認してください。

子どもや妊婦でも使える?

製品によって年齢制限が異なります。市販のフルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用>は15歳以上が対象です。子どもには年齢に対応した処方品があるため、小児科・耳鼻科での確認が必要です。

妊娠中・授乳中の方は、市販品を自己判断で使用せず、産婦人科または耳鼻科に相談してから使うようにしてください。ステロイド点鼻薬は局所作用のため全身への移行量は少ないとされていますが、個人の状態によって判断が変わります。

花粉シーズン前から使い始めるほうがいい?

スギ花粉なら1月下旬〜2月上旬、ヒノキ花粉なら3月上旬ごろから使い始めると、症状が本格化する前に粘膜の炎症をある程度抑えられます。これを「初期療法」と呼びます。前シーズンの症状が中等症以上だった方は、早めに耳鼻科に相談して処方を受けておくのがおすすめです。

(私はだいたい「今年こそ早めにスタートしよう」と思いながら、気づいたら花粉がピークになっていた、を毎年繰り返しています)

フルナーゼとアラミストはどっちがいい?

どちらもフルチカゾン系ですが、フルナーゼはプロピオン酸エステル、アラミストはフランカルボン酸エステルで成分が異なります。アラミストのほうが全身への吸収量が少ない設計とされています。実際の使用感と効き目は個人差があるため、耳鼻科で症状を診てもらいながら選ぶのが確実です。

まとめ

ステロイド点鼻薬の市販品は、現在フルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用>(第1類医薬品)のみです。まず試してみたい方は薬局で購入できます。ナゾネックス・アラミストは処方箋が必要ですが、保険適用で費用を抑えやすく、用量調整もできます。

市販薬を使っても今ひとつ改善しない場合や、症状が重い場合は耳鼻科の受診を検討してみてください。

→[花粉症は何科に行く?耳鼻科・内科・眼科の使い分けと受診のタイミング完全ガイド]

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