花粉症の重症度チェック|軽症・中等症・重症の分類と治療ステップアップ完全ガイド

woman getting vaccine 花粉症

こんにちは、編集部の恵方巻子(えほう まきこ)です。

花粉症歴10年超の私も毎シーズン、「今年は去年よりひどい気がする」「薬を飲んでいるのになんで楽にならないんだろう」と感じてきました。今回はちゃんと調べてみました。

この記事を先に3行でまとめます。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の重症度は、「くしゃみ発作+鼻をかむ回数の1日合計」と「鼻づまりの程度」の2指標を組み合わせて「軽症・中等症・重症・最重症」の4段階に分類できます(アレルギー性鼻炎診療ガイドライン2020準拠)。重症度によって選ぶ薬・受診の必要性がはっきり変わるため、まず自分の段階を確認することが治療の第一歩です。

自分の重症度はどの段階?2つの指標で確認する方法

重症度を確認するには、1日の症状を2項目で記録するのが基本です。毎日数字を一行メモするだけでできます。

① くしゃみ発作回数+鼻をかむ回数(1日の合計)

1日に何回くしゃみが出たか、何回鼻をかんだかを合算します。たとえば「くしゃみ7回+鼻かみ4回=合計11回」のように数えます。回数が多いほどスコアが高く、重症度の判定に使われます。

② 鼻づまりの程度

  • なし
  • 気になるが日常生活への支障はほとんどない(軽度)
  • 日常生活にやや支障がある(中等度)
  • 日常生活に著しい支障がある・ほぼ口呼吸(高度)

この2つを組み合わせて重症度を判定します。いずれか高いほうの段階が全体の重症度の目安です。

重症度①くしゃみ・鼻漏(1日の合計回数)②鼻づまり
軽症少ないなし〜軽度
中等症やや多い軽度〜中等度
重症多い中等度〜高度
最重症多い+日常生活に著しい支障がある高度(ほぼ口呼吸)

2つの指標が異なる段階を指す場合は、高いほうの重症度に合わせるのがガイドラインの基本的な考え方です。スコアの詳細な境界値は耳鼻科でご確認ください。

(「1日に何回くしゃみしたか数えたことなんてなかった…」というのが正直なところ。試しに1週間記録してみたら、花粉の多い日と少ない日でまったく違う数字が出て、「あ、自分これ中等症だったんだ」と初めてわかりました)

重症度別:治療の「次の一手」

重症度が確認できたら、それに合わせた治療を選ぶのが基本の流れです。

軽症|市販薬でコントロールできるケース

くしゃみ・鼻水が少なく、鼻づまりも日常生活に支障のない段階なら、市販の第二世代抗ヒスタミン薬で症状をコントロールできることが多いです。

代表的な成分はフェキソフェナジンロラタジンです。アレルギー性鼻炎診療ガイドライン2020では、フェキソフェナジンは眠気が「ほとんどない」、ロラタジンは「少ない」とされており、仕事中や運転前でも使いやすいタイプです。

同じ第二世代でもセチリジンはやや異なります。ガイドラインでは眠気が「やや多い」と分類されているため、最初は就寝前から試すのが無難です。眠気の出方には個人差があるので、自分の体で確かめながら使ってみてください。

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中等症|点鼻ステロイドを追加するタイミング

鼻づまりが「日常生活にやや支障あり」になると、抗ヒスタミン薬だけでは対応しきれないことが増えます。

このタイミングで耳鼻科を受診すると、点鼻ステロイド薬を処方してもらえます。ステロイドと聞くと怖く感じますが、点鼻薬は鼻の粘膜への局所作用が主体です。内服薬のような全身への影響はほとんどないとされています。

市販でも点鼻ステロイド(フルチカゾン系など)が購入できますが、2週間以上使っても改善しない場合は受診を優先してください。

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重症・最重症|コンビネーション療法という考え方

重症以上になると、抗ヒスタミン薬と点鼻ステロイドの組み合わせに加え、ロイコトリエン拮抗薬(モンテルカストなど)を追加する「コンビネーション療法」が検討されます。特に鼻づまりが主体のタイプに向いている薬で、市販では手に入らないため処方が必要です。

最重症(口呼吸が続き、日常生活に著しい支障が出ている状態)では、上記の組み合わせでも改善が不十分なケースがあり、専門医での治療が必要になります。

花粉症の処方薬と市販薬の違い|市販薬が効かないときに病院で処方してもらうべき薬とは

(ここを書いていて、「中等症なのに市販薬だけで数年間押し切ろうとしていた過去の自分」に少し反省しました…)

根治を目指すなら:舌下免疫療法と外科的治療

毎年薬でやり過ごすのではなく、症状そのものを軽くしたい場合は、別のアプローチがあります。

舌下免疫療法

スギ花粉のアレルゲンを少量ずつ体に慣れさせる治療法です。毎日舌の下に薬を置いて溶かすことを数年続けることで、症状の根本的な軽減を目指します。

保険適用で受けられますが、いくつか押さえておきたいポイントがあります。アレルギー性鼻炎診療ガイドライン2020では「効果発現には数カ月を要し、効果の持続には3〜5年間の継続が必要である」とされています。「すぐ楽になる」治療ではなく、腰を据えて取り組むものです。

花粉シーズン中(概ね1月下旬〜4月頃)は新規開始できません。「来シーズンに向けて」と考えるなら、5〜10月の間に耳鼻科に相談するのがベストなタイミングです。

舌下免疫療法とは?効果・費用・期間をわかりやすく解説

レーザー治療・下甲介手術

鼻の粘膜をレーザーで焼く、または鼻づまりの原因となる下甲介(鼻腔内の粘膜の盛り上がり)を縮小する手術です。「薬が効きにくくなってきた」「毎年この時期だけ集中的に症状がひどい」というタイプに向いています。効果の持続はレーザー治療で1〜数年程度です。

アレルギー性鼻炎のレーザー治療とは?費用・効果・期間・適応をわかりやすく解説

注意が必要なケースと「受診すべきサイン」

子ども・妊婦・高齢者への注意

同じ重症度でも、対象者によって使える薬の選択肢が変わります。

子どもの場合:年齢によって使用できる薬の種類と量が異なります。大人用の薬を半量にして使うのは危険なため、必ず小児科や耳鼻科で処方してもらうことが大切です。

子どもの花粉症|症状の見分け方・受診の目安・家庭でできる対策

妊娠中・授乳中の場合:胎児・乳児への影響から使える薬が限られます。市販薬の自己判断服用は避け、産婦人科または耳鼻科に相談してください。

妊娠中・授乳中の花粉症対策|飲める薬・飲めない薬と安全にできる対処法

高齢者の場合:抗ヒスタミン薬の中には眠気・口の渇き・排尿困難を引き起こしやすいものがあります。他の薬との飲み合わせも含め、薬剤師か医師に確認してから使うことを優先してください。

こんな症状が出たら、早めに受診を

次のサインが出ていたら、市販薬の範囲を超えている可能性があります。

  • 去年まで効いていた薬が今年は全然効かない
  • 毎晩眠れず、日中の集中力が落ちている
  • 頬の奥や眉間に痛みや圧迫感がある(副鼻腔炎との合併を疑う)
  • 黄色・緑色の鼻水が1週間以上続いている

特に「薬の効き目が急に落ちた」という感覚は、重症化のサインかもしれません。受診のハードルを上げすぎずに、耳鼻科に相談してみてください。

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doctor suctioning on man's nose

重症度×治療選択肢まとめ

重症度主な症状の目安第一選択の対処追加検討受診の目安
軽症くしゃみ・鼻水が少量、鼻づまりも軽度市販 第二世代抗ヒスタミン薬市販薬で改善すれば不要
中等症鼻づまりが日常生活にやや支障抗ヒスタミン薬+点鼻ステロイド耳鼻科受診2週間改善しない場合
重症薬でも改善不十分・強い鼻づまり処方コンビネーション療法舌下免疫療法・レーザー検討早めの受診を推奨
最重症日常生活に著しい支障・口呼吸がほぼ常態専門医による処方療法生物学的製剤・外科治療すぐに受診

よくある質問

毎年「去年より症状がひどい」と感じるのはなぜ?

花粉の飛散量は年によって大きく変わります。前年の夏が暑く日照時間が長かった年は翌年のスギ花粉量が多くなる傾向があります。アレルギーには「コップ理論」(体にアレルゲンが蓄積してあふれると症状が出る)という考え方もあります。

同じ薬を何年も使い続けると感受性が変わるケースもあるため、「去年は効いていたのに今年は…」という変化を感じたら、医師や薬剤師に相談するのがよいでしょう。

軽症でも病院に行ったほうがいい?

軽症で市販薬がしっかり効いているなら、必ずしも受診は必要ありません。ただし、市販薬を2週間以上試しても改善しない場合、または目・喉・皮膚など鼻以外の症状が強い場合は、耳鼻科を受診するのをおすすめします。

点鼻ステロイドは毎日使っても大丈夫?

点鼻ステロイドは鼻の粘膜への局所作用が主体のため、適切な量を守れば連続して使っても全身への影響は極めて少ないとされています。添付文書と薬剤師・医師の指示を確認のうえで使用してください。

なお、血管収縮成分を含む点鼻薬(ナファゾリンなど)は1週間以上の連続使用で「薬剤性鼻炎」を起こすことがあるため、ステロイド系の点鼻薬とは別物として扱う必要があります。

(まあ、花粉症の季節に「1週間間を空けろ」って言われても実際は難しいですよね…だからこそ、血管収縮系ではなくステロイド系を選ぶ意味があります)

舌下免疫療法はいつ始めるのがいい?

スギ花粉症の場合、花粉シーズン中(1月下旬〜4月頃)は新規開始できません。5月以降の花粉が落ち着いた時期が開始のタイミングです。ガイドラインでは「効果の持続には3〜5年の継続が必要」とされているため、「来年こそ楽になりたい」と思うなら、今(5〜10月)のうちに耳鼻科に相談しておくのがベストです。

まとめ

アレルギー性鼻炎診療ガイドライン2020に基づく重症度分類は「軽症・中等症・重症・最重症」の4段階です。「くしゃみ発作回数+鼻をかむ回数の1日合計」と「鼻づまりの程度」の2指標を記録することで、おおよその段階が見えてきます。

軽症なら市販の第二世代抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン・ロラタジンは眠気が少なく使いやすい。セチリジンはやや眠気に注意)、中等症以上では点鼻ステロイドや処方薬の追加、重症では耳鼻科でのコンビネーション療法へとステップアップしていくのが基本の流れです。

根治を目指すなら、花粉シーズン外に舌下免疫療法の相談を始めるのが適切なタイミングです。効果の持続には3〜5年の継続が必要とされているので、「来シーズンに間に合わせたい」なら早めに動くほど得です。

「毎年なんとかなっているから」と放置せず、まず自分の段階を確認してみてください。重症度に合った治療を選ぶことで、花粉シーズンの過ごし方は変わります。

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